蚊帳博物館オープン記念 ごあいさつ
平成17年7月20日 蚊帳の博物館オープンセレモニー

古田 望美さんから
昨年2004年9月のことです。カメルーンへボランティア医療援助として出発する事が決まり、マラリア予防の為に「蚊帳」を探していた所、こちらのホームページ(安眠コム)を見つけました。早速マラリア対策用蚊帳を1枚注文した所、菊屋の三島さんよりお電話がありました。今回なぜこの商品を購入したのか質問されたので、カメルーンに行く経緯をお話ししました。三島さんは、以前からマラリアで死んでゆく子ども達の為に何かしたいという希望がありましたが、具体的にどこを通して援助してよいか分からなかったそうです。そこで、今回私が行く村へぜひ援助したいとの事でした。これが、三島さんとの出会いです。
私が向かったのはカメルーンの西部に位置するフォンテム村という自然豊かな所です。そこにある病院の産婦人科で助産師として働いていました。この村でマラリアは一般的な病気でした。マラリアの事を簡単に説明しますと、ハマダラカという種類の蚊に刺される事によって起こる病気で、血液が破壊され、発熱したり貧血をおこし、適切な治療が遅れると命取りになる病気です。産婦人科では妊婦にマラリア予防薬を処方したり、またマラリア感染者に対しては入院をすすめ、点滴などで治療していました。妊婦がマラリアにかかると、流産、早産、死産を起こしやすいからです。実際、マラリアの為に赤ちゃんを亡くしたお母さんも見てきました。とくに小さい子どもに関しては、大人よりも重症化が早く、亡くなる事も多いです。しかし、死亡率を上げているのは村の環境にもあります。たとえば、病院が少ない事、発見が早くても病院まで来るのに時間がかかる事、お金がないために病院に行くのをためらう事、などです。道は日本のように舗装されておらず、また一般の人達は車など持っていません。ある日、赤ちゃんの熱が出たというので、お母さんが抱っこして村から8時間かけて歩き病院に到着しましたが、もうその時には赤ちゃんは死んでいました。
ところで、村の人達はマラリアに対して恐怖感をもっているので、彼らなりに工夫しています。たとえば私が見たのは、夜、蚊に刺されないように暑い日でも長袖と長ズボンのパジャマで寝ていました。蚊帳を持っている人はほとんどいませんでした。病院では、新生児用のベッドの上にあみを張って、赤ちゃんを蚊やハエから守っていました。カメルーン政府も10年ほど前から全ての妊産婦に無料で蚊帳を配布する政策をとり始めたようですが、私達の村にはまだ行き届いていませんでした。
そこで三島さんは、ユネスコを通してマラリア対策用の蚊帳を100枚フォンテム村に寄付してくださいました。三島さんは以前、マラリアで苦しむ人達のためにユネスコを通してお金を寄付していたそうです。インターネットで蚊帳を取り扱っている中で、海外の蚊帳メーカーとも仲良くなり、そのうちの一人がタイランドのメーカーの社長さんでした。彼はもともと国連の職員で、世界のマラリア事情に対して蚊帳工場を立ち上げました。三島さんとこの彼は、蚊帳を通しての世界平和という点でお互いに結ばれ、今回の寄付に至ったそうです。私が帰国する前の2005年6月1日、この思いがけない贈り物には病院スタッフ一同大喜びで、現地の助産婦の1人は私を抱きしめてくれるほどでした。産婦人科のベッドの上に蚊帳が張られました。そのおかげで、お母さんと赤ちゃんが同じベッドの上で安心して寝られるようになりました。また、蚊の多い隣村にもこの蚊帳が支給され、現地の人の生活に役立っています。
三島さんが願っている事。それは、「安心して眠る事によって、子供たち1人1人がそれぞれの才能の花を咲かせられますように・・・」 この蚊帳のおかげで、アフリカにいるこの小さな村の子供たちも救われ、それぞれの花を咲かせてくれる事でしょう。
                                              古田 望美  
   
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