<講演内容>
人生80年とすると平均睡眠時間6時間で20年間寝ていることになる。
睡眠は長くても短くても死亡率は高くなっている七時間睡眠が理想的といえる。
良い睡眠とは、夜遅くなくほどほどの時間を取り、睡眠は深くリズムが規則的であるほうが良い。
はじめに、登校拒否児の睡眠リズムは、睡眠覚醒のリズムが乱れていることが多い。その結果、不登校・家庭内暴力の影響がみられる。
次に、アルツハイマーの人は朝起きる時間や寝る時間がまちまちである。光を浴びて朝早く起こすようにすると朝の起床時間がそろってくる。夜寝る時間もそろってくる。昼間起こしておき、散歩に30分から1時間連れ出すと眼の中にある生物時計に働きかけられ徘徊がなくなったというケースもある。
また、新生児の場合、殆ど寝ているが、1歳を過ぎると午前と午後1回ずつの昼寝になる。
2歳を過ぎると午後1回の昼寝だけの子どもが多くなり、6歳を過ぎると昼寝をしないようになってくる。幼少期は親の生活リズムの夜型化が子どもの夜更かしに影響している。夜間睡眠を補うと考えられてきた午後の長い昼寝は夜更かしの原因と考えられる。昼寝が減少していく年齢での習慣的な昼寝は、夜型睡眠を短縮させて夜昼のメリハリを弱めている可能性がある。
小学生になっても夜更かしの習慣は続くので、幼児期に規則正しい睡眠習慣を身につけることが大切である。
成績の良い子どもは、睡眠時間はほどほどで、長すぎたり短かすぎたりする子どもの成績はあまり良くない。これは睡眠と死亡率のデータとよく似ている。
年代別には、男女とも同じように、この40年間で睡眠時間は少なくなっている。中でも16から19歳の睡眠時間はさらに少なくなっている。この年代では高校生から大学生になる頃である。日本の若者の睡眠と比較するとアメリカは30分、ヨーロッパ諸国は1時間30分、スイスは2時間30分長く寝ている。日本の若者と同じような睡眠をとっているのが、台湾の若者だが、気候が亜熱帯と熱帯に属していて気候への生態適応として仮眠を取る習慣があるので日本の若者と一緒であるとは言えない。
鬱病の場合は鬱と気づく前に睡眠のリズムが乱れることがある。休みだから遅くまで寝ているのでは良くない。同じ時間に寝て同じ時間に起きるというリズムを崩さないことが必要である。二度寝は一日中眠くやる気が起きないことにつながる。また、時差ぼけの状態が続くと脳が萎縮することもある。勉強には不都合である。仮眠は午後1時前後に20分以内の短い眠りであれば、目覚めた時にスッキリしている。このような仮眠を取っている方が歳をとって認知症になりにくいといわれている。中高生の仮眠については、午後7時から9時の睡眠は好ましくない。その理由は、仮眠を取れば夜の就寝が遅くなってしまうためである。百害あって一利なしといえる。昼間の仮眠が長いほど一日中眠くなり日中の脳活動に悪影響を及ぼす。また、夜更かしは金縛りの体験が増えるといわれる。睡眠のリズムを崩さないことが大切である。また、青色の蛍光灯は寝るのを遅く、赤色の白熱灯は寝る時間が早くなっている。
最近の高校生は、睡眠時間が短いので、午前と午後に眠くなる生徒がいる。これは、幼児の睡眠と同様である。
睡眠は長く取れば良いのではなく、規則性が大事である。8時間神話は当てにはならない。昨日眠れなかったから、昼寝をするのは間違い。長い昼寝を止め、規則正しく早寝早起きを心掛けることが大切である。
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