日本に初めて紹介された
サイアムダッチ社に関する記事


日経トレンディ 1993 NOVEMBER No.76
ニューウェーブ蚊帳として紹介される
日経トレンディ      
1993 NOVEMBER No.76 より  
AROUND THE WORLD

Mosquito nets



アジア・欧米で蚊帳人気が復活

しゃれたデザインでヒット商品に

白いナイロンネットに
色を添える

欧州からの注文には
様様な色がある

かつては日本の夏の風物詩のひとつだった蚊帳も都市化が進み各種防虫剤が普及した今ではすっかり過去のもの。ところがアジアや欧米各国では最近新しいデザインと機能を売り物にした蚊帳が復活している。
 この扱いやすくてしゃれたデザインの”ニューウェーブ蚊帳”を開発、ヒット商品に育てたのは、タイとオランダ資本の合弁企業「サイアムダッチ・モスキート・ネッティング社」(本社バンコク市)。
同社の国別輸出先リストの上位にはドイツ(過去5年間の通算で1位)、スウェーデン、米国などが並んでいる。

サーキュラー型人気商品
普通の四角い蚊帳
「欧州でも夏の間、蚊などの虫の害が多い。ところが10年前にオランダで蚊帳を買おうと探したところ、全然売っていなかった。これは未開拓の市場だと確信した」と語るのはサイアムダッチ社代表のオランダ人ニコラス・ピアソン氏。
80年代の初め、東南アジア旅行中に愛用した蚊帳が、故郷オランダでも需要のある商品だと気づいて、アムステルダム市内に小さな蚊帳専門店を開いたのが始まり。品質の良い蚊帳の供給先を探し回った結果、数年後にはバンコクのメーカーに資本参加し自らも製造に乗り出していた。

蚊帳は東南アジアでも日本と同じく四角い形で上端の四隅を天井や壁からヒモで吊るすスタイルが一般的だがピアソン氏はバングラデシュで見つけた円錐形蚊帳に着目した。これを改良したのがいまや同社の欧米向輸出の主力商品である「クランボー」ネットだ。蚊帳の上端を支える直径60cmのラタン製の輪から「サーキュラー型」とも呼んでいる。

スウェーデンのイケアなど、欧米の家具・インテリア用品専門店では色とりどりのサーキュラー型ネットが夏の人気商品になっていると言う。ラタンの輪を折りたたみ式の竹板に代えた携帯用の「スパイダー・ネット」はアウトドア用品としても欧米のハイカーの間で人気が高い。

 92年には78万個だったサイアムダッチ社の蚊帳の出荷は93年には100万個を超える見込みだ。

 ところでニューウェーブ蚊帳の市場としての日本は、これまで5,000個が出荷されただけでほとんど未開拓。
「生活の中で蚊帳を愛用した長い歴史があるのだから製品の優れた機能が理解されればもっと売れるはず」とピアソン氏は言う。今後は先ず、アウトドア活動愛好家の間で、携帯用のスパイダー・ネットへの需要が高まるはずと期待している。

ループはラタンで

縫製は手作業

最速編み機

ドイツ製最新装備