住環境の変化で姿を消しっつあった「蚊帳」を見直す動
きが出ている。殺虫剤を使わずに済むうえに、細かな網目
がエアコンや扇風機の風を適度に和らげてくれる。形も多
様化し、部屋のインテリアとして購入する人も。たまには
「蚊帳の中」で休むのもいいかもしれない。(海老沢類)
<中略>
日本の夏の風物詩として活躍した蚊帳だが、密閉性の高いサッシやエアコンが普及したこともあり、昭和40年ごろを境に減少の一途をたどった。
そんな流れに変化の兆し
あるという「蚊帳の良さが最近見直されている」と話すのは、静岡県磐田市の寝具店「菊屋」の三島治社長だ。店の近くには「蚊帳の博物館」を開設し、魅力のPRに力を入れている。
来店客の要望を受けて、インターネット上で蚊帳の販売を始めたのは10年前。当初は数十張り程度だった年間販売数も昨年は2000張りを超えたという。
余分な水分を吸収・発散して湿度を調整してくれる麻を編んで作った蚊帳や、ムカデを防ぐために床の部分にシートを付けた6面体のものが好評だ。
「アトビー性皮膚炎やぜんそくの子供がいるので殺虫剤は使いたくないという親や、クーラーや扇風機の冷風が直接当たるのを避けたい、といった人が多い」と三島社長。
購入者は都市部に住む30代、40代が中心で、20代も少なくない。購入者アンケートでは「中に入ると癒やされる」「インテリアの一部として使っている」という声も寄せられたという。
三島社長は「防虫という本来の役割だけでなく、季節を問わず安心・安眠をサポートする生活道具として注目されている」と話す。
マラリアの感染を予防するためアフリカ諸国でも近年蚊帳が積極的に活用されている。
住友化学は防虫剤を練り込んだ合成樹脂を使った蚊帳「オリセットネット」を独自に開発し、タンザニアなどの現地メーカーで生産している。アフリカの厳しい暑さにも対応できるように、網の目も可能な限り大きくし、通気性を向上させた。昨年の生産量は約3100万張り。年々需要が高まり、ここ2年で5倍強に増えた。今後も需要に応じて増産を検討していくという。
タイブ別にお手入れ選んで
若い世代にとってはなじみが薄い蚊帳。普段の手入れや使い方で気を
つけることはないのだろうか。
まずは洗濯。 麻製品の場合、水やぬるま湯を使って優しく押し洗うのが基本。
干す際は、両喘をしっかり伸ばさないと縮みの原因になる。
洗亨黎できないタイプは「はこりを
はたいた後で掃除機などで汚れを吸い取るといい」(菊屋の三島治社長)という。
どんなに手入てが行き届いても、中に蚊がいたら元も子もない。三島社長は「畳むときや入る際には、蚊が
入ってこないよう十分気をつけてほしい」と話している。
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