LIVING design 41
2005年4月10日発売
居心地のいい服のある生活


心地よいねむりの先にあるもの


インド綿のショールは、脱いだ状態では長方形の袋。
袋状に縫われているのは下半分だけで、縫い目のス
タート地点を背中中央にあてて羽織ると袋の部分が
たっぷりとしたドレープになって、ゆたかなバック
シルエットを作り出す。

すっぽりと簿布のショールに包まれると、それだけ
で眠くなるほどの着心地のよさの背景には、デザイ
ナーのもつ素材への徹底した配慮がある。

そして流れるようなドレープが醸し出す優美さは
平安時代の貴族のような高貴な眠りを約束してくれ
そうだ。

「ねむり」は幸せを連想させます。
「ねむり」は死を連想させます。
「ねむり」は神秘の世界への旅を連想させます。
全ての人が「ねむり」の時、幸せで安堵に包まれれば
すばらしい世界になるでしょう。

デザインの背景にあるアイデアについてこう語る前田
征紀は。思いがけない発送を美しい服につなげる
クリエーションで、パリ・コレでも注目の若手ファッ
ションデザイナーだ。

一方、パリのインテリア見本市で日本の蚊帳が注目さ
れていると言うニュースもある。
一度は廃れたかと思われた蚊帳。しかし、快眠への関
心が高まるなか、新しいライフスタイルに合わせた素
材開発やデザイン改良を加えた蚊帳が、独特の癒し効
果も話題になって、人気復活の兆しをみせている。

ねむりと言う日常生活の神秘体験を追及するその先に
より快適な暮らしや、新たな創造への可能性が拓かれ
る。