朝日新聞 H17.5.8  掲載記事

心癒やし 命救う蚊帳に 
磐田の寝具店製造

パリで好評 アフリカへ寄贈

磐田市中泉の寝具店「菊屋」が作ったピラミッド形の蚊帳「KACOON(カクーン)」がパリ国際家具見本市で好評を得た。今夏前から国内大手デパートで販売される。その一方で、店主の三島治さん(48)は「心を癒やす蚊帳が命を救う蚊帳になってほしい」とアフリカの子どもたちのマラリア対策として蚊帳を贈っている。
 菊屋は1952年創業。主に寝具を売っていたが、96年に店のホームページ「安眠コム」を開設してから商売が大きく変わった。当初は枕販売に力を入れていたが、「子どもがアトピー。殺虫剤を使いたくないから蚊帳がほしい」「クーラーの風が嫌だ」などという書き込みが目立ち始め、蚊帳が売れるようになった。ベッドでも使える蚊帳、家庭で洗える蚊帳、ムカデが来ないように床面にも布を張る蚊帳など、オリジナル商品を製造・販売する。
 昨年夏、大手インテリアデザイン事務所「日建スペースデザイン」からの依頼で「カクーン」を作った。名前は蚊帳の「カ」、英語で繭を意味する「コクーン」を合わせた。1辺2・7bの三角形を組み合わせた正四面体。麻でできている。
2004年10月に東京であったインテリア会社などを対象にした展示会「IPEC21」で優秀賞を受賞し、パリ国際家具見本市に行くことになった。
 今年1月の見本市では、世界各国の人たちがカクーンに入り込んで、茶道を楽しんだり、ごろり寝ころんだりした。
 「外国人は眠りの空間ではなく、お茶をするなど癒やしの空間にしてしまった。本来の蚊帳が想像しない方に進化している。フランスに行かなかったら癒やしの空間には気が付かなかった」と三島さんは言う。好評を得て帰国すると、デパートなどから今夏に向けて商品の引き合いが始まっていた。
 アフリカ・カメルーンの子どもたちのために蚊帳を送るきっかけは昨年の夏の終わり。カメルーンに向かう助産師の古田望美さん(26)=長崎市=から「蚊帳がほしい」と注文があった。古田さんが使うためだった。三島さんは餞別として1張りを贈った。古田さんから現地の様子を聞くと、マラリアのため命を落とす子どもたちが多いという。
 「心が癒やされる蚊帳の次には命を救う蚊帳を作りたい」。急きょ、ポリエステル製の安価な蚊帳を製作。4月に100張りを古田さんあてに送った。



アフリカの古田さん

↑カメルーンの子供たちと

カメルーンの病院で活躍する古田望美さん →
頑張ってね!ふるたさん。



あなたの眠りが世界を救う 運動を開始します。
幸せの黄色い招き猫ハンカチ(1枚=500円)
マラリアで命を落とす子供たちに蚊帳を贈ります。