蚊帳ってなあに?
中日新聞 平成21年6月21日 こどもタイムス 掲載の記事解説 のページ ※こどもの蚊帳ページへ
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平成21年6月14日
名古屋駅から小学六年生の児童六名が 腕に中日新聞記者の腕章を付けてJR磐田駅に降り立ったのでした。 彼らの取材場所は私ども菊屋、テーマは「蚊帳ってなあに?」でした。 蚊帳の博物館が出来てから四年目になりますが、小学生の総合学習に50時間ほど活用されてきました。 その間こちらもいろいろと勉強させていただきました。歴史や環境問題、産業や文化の課題、家庭教育、そして何よりも睡眠についての理解をしてもらうための勉強です。 蚊帳がすっかりと姿を消して、「蚊帳の外」と言うなんとも寂しい言葉だけが残った現代日本に、蚊帳の中のよさを味わってもらえればと、実際に蚊帳の中を体験できる「蚊帳の博物館」をはじめさせていただいたので、このように子供達が蚊帳のよさを体験して、自分達のなりの記事をどのように書き上げるのか、そしてその記事を読んだ人はどのように感じるのかとても楽しみでしたがいい記事になりました。 この子供達のペンの力で、明日の日本を、そして世界中を安心して安眠できるように包み込むことができますように!と、祈ります。 |
蚊帳ってなあに? 虫通さず風入りすやすや2009年6月21日 日曜日 最(さい)近、昔(むかし)ながらの蚊帳(かや)の良(よ)さが見直されてきています。夏に耳元でプーンと蚊が飛(と)んで寝苦(ねぐる)しい夜、役(やく)立つ優(すぐ)れ物(もの)です。こども記者(きしゃ)は、静岡県磐田(いわた)市の蚊帳の博物館(はくぶつかん)で、館長の三島治(みしまおさむ)さんに尋(たず)ねました。「蚊帳ってなあに?」
麻素材で湿気吸収日本の蚊帳の歴史(れきし)をたどれるこぢんまりとした民(みん)間の博物館は、JR(ジェイアール)磐田駅(えき)近くにあります。館内には薄(うす)いクリーム色や緑(みどり)色の四角いネットが柱(はしら)からひもでつられていました。江戸(えど)時代(だい)から現(げん)代までの十数点。ネットに囲(かこ)まれた中には布団(ふとん)が敷(し)いてあります。 不(ふ)思議(ぎ)そうな記者たちの前で、蚊帳の製造販(せいぞうはん)売もしている三島さんがネットを手に取(と)り「これが蚊帳。蚊に刺(さ)されるのを防(ふせ)ぎ、ぐっすり寝るためにできた寝具(しんぐ)だよ」。昔の家は網(あみ)戸や冷房(れいぼう)がなく、暑(あつ)い夜は部屋(へや)に蚊帳をつり、窓(まど)を開(あ)けて夜風を感(かん)じながら眠(ねむ)りにつきました。 ネットをかき分け、中に入ってみた記者たちは「涼(すず)しく感じる」。その理由(ゆう)を「素材(そざい)が麻(あさ)だからです。麻は湿(しっ)気を吸収(きゅうしゅう)し湿度(ど)を下げるので、中は室温(おん)より2、3度低(ひく)く感じるでしょ」と三島さん。 ネットの編(あ)み目の大きさは、風を通し虫を通さない1.2〜1.5ミリほど。生(き)地は機械(きかい)で織(お)り、裁断(さいだん)して四角く縫(ぬ)い合わせます。昔ながらの製品(ひん)は縦(たて)糸と横(よこ)糸を交差(さ)して織る平(ひら)織りで、表面(ひょうめん)にでんぷんのりを塗(ぬ)ってパリッと仕(し)上げます。 奈良時代 中国から来たよ「1200年以(い)上前の奈良(なら)時代に中国(ちゅうごく)から伝(つた)わった」と聞き、記者たちは「日本のものじゃないんだ」と意(い)外そう。もとは綿(めん)や絹(きぬ)製で、麻製が登(とう)場したのは江戸時代です。「近江(おうみ)、今の滋賀県の商(しょう)人が高温多湿の日本には麻が合うと考えて作り、全(ぜん)国に広めました」 しかし、昭和(しょうわ)40年ごろを境(さかい)に、蚊帳は徐々(じょじょ)に姿(すがた)を消(け)していきました。農薬(のうやく)や殺(さっ)虫剤(ざい)で蚊が減(へ)り、網戸やアルミサッシ、エアコンが普及(ふきゅう)して、蚊が家の中にほとんど入らなくなったからです。 エアコンいらず、エコにもそして今、三島さんは「蚊帳が欲(ほ)しいという人が増(ふ)えてきた」と話します。子供(ども)にアレルギーがあり殺虫剤を使(つか)いたくないという家庭(てい)や、エアコンの風が当たると具合が悪(わる)くなる人などが使い始(はじ)めたのです。記者たちは「へーっ」。 三島さんは現代の生活に合った製品も作っています。館内にはベッド用やワンタッチで傘(かさ)のように開(ひら)くタイプ、テントのような三角形などを展示(てんじ)しています。さらに客(きゃく)の要望(ようぼう)で、洗(あら)うと編み目が開く弱点を解決(かいけつ)して、洗える蚊帳を開発(かいはつ)しました。 三島さんは「蚊を殺(ころ)さず、私たちの身(み)を守(まも)る蚊帳は平和(へいわ)の象徴(しょうちょう)だよ」。展示品の入り心(ごこ)地を一つ一つ確(たし)かめ、「落(お)ち着(つ)く」と話す記者たちは、なかなか蚊帳から出ようとしませんでした。 ◆柏原(かしわばら) 裕(ひろむ)(愛知県刈谷(かりや)市かりがね小6年) かやは日本の物と思っていたが、中国から伝わってきたと聞きおどろいた。自然(ぜん)にやさしく平和な物だと思う。 ◆加藤(かとう) 帆天(ほたか)(岐阜市茜部(あかなべ)小6年) 三島さんの「蚊帳に入るとみんな仲(なか)よくなれる」という言葉(ば)に、家族(ぞく)で入ったことを思い出してその通りだと思いました。 ◆中埜(なかの) 遥(はるか)(愛知県一宮(いちのみや)市宮西(みやにし)小6年) 蚊帳の中にはいらせてもらいました。心がおだやかになってきて、ふしぎとやさしい気持(も)ちになりました。 ◆野口(のぐち) 実紗(みさ)(名古屋市川原(かわはら)小6年) 丸や三角、四角などの形がありました。広げたり、すぼめたりできる蚊帳があることには特(とく)にびっくりしました。 ◆服部(はっとり) 鋼亮(こうすけ)(西山(にしやま)小6年) マラリアの被害(ひがい)に悩(なや)まされるアフリカなどで注(ちゅう)目を浴(あ)びています。蚊帳のおかげで大勢(ぜい)の命(いのち)が助(たす)かることを初(はじ)めて知りました。 ◆井ノ口雄貴(いのぐちゆうき)(浜松(はままつ)市西(にし)小5年) かやのいい所(ところ)は、かを殺さないことと、よくねむれること。中に入って横になったら、ねちゃいそうになってしまいました。 |
こどもたちの手書きの記事(原稿用紙8枚分でした)

ちょうどバランスよく蚊帳の記事が掲載されました。
