あなたは不眠症についてどれだけ知っているでしょうか。
一口に不眠といっても、その原因やタイプはさまざまです。
あなたに該当する不眠はどんなタイプ?そしてその原因は?
私たちが生きている現代社会は、さまざまなストレスの要因を抱えています。
不景気による仕事の問題、夫婦、親子のトラブル、職場や近所の人間関係など、
数えあげればきりがありません。
一日がやっと終わり、夜ベッドのなかに入ると、いやなことが頭のなかをかけめぐり、
なかなか寝つけない人は多いでしょう。
実際、眠れない人は多く、「なんらかの不眠がある」と訴える人は21.4%にも及ぶ
という調査結果があるほどです。
(国立精神・神経センター、財団法人健康・体力づくり事業財団の調査より)
不眠を主訴としてクリニックを訪れる患者も、決して少なくありません。
眠れないといっても、たまたま一日か二日寝つけなくて目を腫らした、
という程度なら心配することはありませんが、不眠状態がずっと続き、
大きな悩み、苦痛となっている場合はしっかりと対応を考えなければなりません。
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不眠の悪循環を生む不安、心配事、ストレス
睡眠は人間の自然のいとなみのはずですが、どうして不眠が起こるのでしょうか。
その原因から考えていきましょう。
不眠を訴える人に多いのは、心のなかにある不安や心配事が
目をつぶっていても次々に湧いてきて、いつまでも眠れないというパターンです。
心配事の内容によっては簡単に解決できないこともあり、それが一層の不安をあおり立て、
ますます眠れなくなるという悪循環を繰り返すこともあります。
日常、ストレスを強く受けている人も不眠に悩んでいます。
ストレスは脳の覚醒中枢を興奮させ、またホルモン分泌に影響を及ぼします。
その結果、活発な活動を促す副腎皮質ホルモンが夜中に分泌されたりすると、
睡眠は妨げられてしまいます。
ストレスによる不眠を精神生理性不眠といいますが、一過性のものと、
持続性のものがあります。
持続性の精神生理性不眠は、神経質性不眠ともいわれ、
もともと神経質な性格に慢性の緊張や不安などが加わって起こります。
不眠が心の病気の初期症状として現れる場合もあります。
気分が落ち込み何もかもやる気を喪失してしまう「うつ病」、
心臓が突然ドキドキし、息苦しくなる「不安障害」、
幻覚や妄想が現れる「統合失調症」などの病気になると、不眠が数週間続きます。
その場合は、専門医の治療が必要です。
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糖尿病の人の三割はよく眠れない
また、ぜんそく発作や皮膚病によるかゆみがあれば熟睡できないのは当然ですし、
糖尿病患者の三割、心筋梗塞患者の二割に不眠がみられるというデータもあります。
体に病気を抱えていることが不安を生み、不眠の原因になっていることもあるのです。
不眠は、病気治療のために飲んでいる各種の薬の副作用によって起こることも
あります。降圧剤、ステロイド剤、抗炎症剤、インターフェロンなどを使っていて不眠傾向のある人は、医師に相談してください。
住まいの環境による不眠も、案外深刻な場合があります。
高架下で夜間も車の走行する音がうるさい、熱帯夜で眠れない、照明が明るすぎる、
いっしょに寝ている人の歯ぎしり、いびきがうるさい、などといった環境要因も、
ふだん気にならないのに、心配事があったりすると睡眠の妨げになることがあります。
興奮剤になるカフェインを多く含むコーヒー、紅茶を飲みすぎることで
目が冴えてしまい、眠れなくなることもあるのは、よくご存じでしょう。
不規則な生活、昼夜逆転など、生活時間のズレによる睡眠障害については後述します。
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「熟眠感の欠如」には注意が必要
さて、不眠は大きく四つのタイプに分けられます。
最も多いのは寝つきが悪い「入眠困難」です。
眠ろうとしても、最も気になることが頭になかに浮かんできてしまうため
眠れないというものです。
眠りにスーッと入るのですが、夜中に途中で目が覚めて困るのが「中途覚醒」です。
一度目覚めてしまうとなかなか眠れず、目を赤く腫らしたまま朝を迎えます。
朝早く起きてしまうタイプは、「早朝覚醒」と呼ばれます。
高齢になると睡眠時間が短くなるので、朝早く目覚める傾向があります。
「熟眠感の欠如」は、実際は眠っているのに、眠った気がしないというものです。
このタイプの不眠には、注意する必要があります。
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福西勇夫先生(ふくにしいさお)
南青山アンティーク通りクリニック院長。
精神科医、医学博士。
ハーバード大学医学部客員教授。
米国での臨床および研究経験も豊富で、薬物療法、
精神療法、家族指導に精通している。
『詳しくわかる睡眠薬と精神安定剤』(法研)など
著書多数。
クリニックでは働く人のために
午後1時から午後9時までを診療としている。
03-3400-0611 |
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